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大和不動産鑑定の現場から

大きく分けると2つあります。
インバウンドとアウトバウンドです。

インバウンドとは、外国人が日本の不動産を買うときに、日本の不動産の評価書を取得する業務のことです。外国人のために評価書を書きますので、英語で評価書やレポートを作る必要があります。
一方、アウトバウンドとは、日本企業が外国で不動産を取得する際、それが適正な価格で買えているのか調べる調査業務のことです。

弊社では、現地のパートナー企業を増やしています。2007年に韓国の大手外資企業と業務提携して、今年は、中国で最大手の鑑定会社と提携します。シンガポールの鑑定会社とも提携しました。
今後は、世界という視野に立って、安定したネットワークを築いていきたいと考えています。


『何故評価書が必要になったのか? 』という評価書の依頼の背景について注意してヒアリングを行っています。
お客様は鑑定評価の分野について、ほとんど専門知識をもっていないケースが多いです。
依頼背景やニーズからどのような内容を評価書に記載すべきか、お客様の目的が達成できるように評価書を作成しています。
お客様と話すときには、専門用語はなるべく使用しない、または、使用しても理解できるように説明を踏まえて、コミュニケーションを取ろうと心がけています。
専門性が強い分野なので、一方通行な会話に終始しないように気をつけています。

フランス、中国、台湾の評価、またはコンサル業務を経験していますが、いずれの国においても、不動産の基本的な制度、評価の方法等が日本と大きく異なっています。
まずそれらを整理することが大変です。

それから海外不動産の評価については、その国の鑑定人や専門家とタイアップして業務を行うのが基本です。当然、相手と密接にコミュニケーションをとる必要があるのですが、そこで外国語スキルの重要性を痛感することが多いですね。

特にフランスの物件を評価したときなんですが、現地の鑑定人の方が英語がそれ程得意でなく、自然と会話がフランス語になってしまうのには、びっくりしました。

しかも、基本メールは返ってこないですね(笑)。外国人とタッグを組んで大変なのは、趣旨がよく伝わらないところなのです。「見積もりが欲しい」と言っただけなのに、全然返事が来なくて、こちらから確認したら一人勝手に作業をガンガン進めていたりしますから(笑)。
そうしたことを通して一貫して感じるのは、日本人の仕事は、世界的にもきっちりしているということです。外国人の方と仕事すると、良い意味でも悪い意味でもそのことを再認識させられます。
外国人の方の作成するレポートは、基本的に大雑把ですから。それを全部修正させようとすると、ぶつかってしまうので、どこら辺でバランスを取るのか、そこに気を使います。

英語で話すときには、日本人のお客様と話すときと同じように、会話が一方通行にならないように気を付けます。特に外国人にとって、日本の不動産市場・制度はわかりにくいものですから、相手にとって理解しやすく、情報が伝わりやすいような対話をしないとなりません。

幸いなことに、鑑定の専門用語は、言葉の種類がそれほど多くありません。医者の専門用語等に比べれば数が少ないので、それなりに理解はしやすいです。
ただ、注意しなければならないのは、インドネシアで津波がありましたよね。その結果、ある地域では海岸線沿いでは建築ができなくなりました。そうすると、土地にはリゾートホテルがあって、隣に大きな敷地があっても、今では拡張できないというケースがでてくるわけです。
我々は、こうした法制度を調べる仕事なので、諸外国の立地条件も把握しなければなりません。

それから海外は、土壌汚染などに関して、日本のように厳しくはありません。日本で気にされているようなことは殆ど気にされることがありませんね。日本の感覚でやろうとすると、全く通用しないのです。
海外の不動産評価を行う時は、これらのことを念頭に置いて仕事をしなければなりません。

長與 剛慶
平成19年入社 平成23年不動産鑑定士登録

鑑定評価の理解については、様々なレベルのお客様がいらっしゃいます。鑑定士の資格をお持ちの方もいらっしゃれば、初めて依頼される方もいらっしゃるので、依頼者のバックグラウンドとニーズに応じた話が出来るよう、心がけています。
例えば、普段使っているような専門的な言葉を使ってしまうと通じなくなってしまうので、相手によって話し方を変えています。海外不動産については、海外の評価基準は国によって異なっていますので、その都度勉強をしていく必要性があります。


米国ワシントン郊外で戸建住宅、ニューヨークのマンハッタンでラグジュアリー・アパートメントの評価をしました。

現地の鑑定は対象不動産の需要者を見極めたうえで、最も規範性の高い評価方法を適用するのが一般的です。取引事例が日本より多く、情報開示が進んでいるので、比較的、相場感をつかみやすいです。カルチャーショックを受けたのは、日本では当然行う境界線の確認などを海外ではほとんどしないことです。住居表示通りに不動産が存在していれば、問題はないという認識なのです。越境がどうという話もないですし、そもそも境界石というのを打たないです。

パリは古い建物をリニューアルして住んでいて、古いことで価値が下がるということはありません。設備は定期的に更新しなければなりませんが、建物の古さは街並みの美しさに寄与するもの、景観保全という観点から、古さがマイナスになるような街ではありません。
海外不動産評価を体験したことによって、多様な価値観を知ることができました。

アメリカは不動産鑑定士という国家資格はありません。州ごとにライセンスを取り、その州内で利用できるという資格になります。運転免許証のように、申請をして審査が通れば取れてしまいます。このため米国不動産鑑定協会(Appraisal Institute)が鑑定人の質の向上を図るために設立されました。
MAIはこの米国不動産鑑定協会(AI)という民間団体の称号です。
AIは世界大恐慌後の1930年代にスタートし、約80年の歴史があり、世界60カ国に約23,000人のプロフェッショナルがいます。
2012年のMAI新規登録は世界で500人弱で、米国では、鑑定業界の最高峰の称号として認識され、MRICSと並ぶグローバルパスポートとして、高い評価を得ています。
日本の鑑定士のテストと異なる点は、科目ごとの受験が可能なため、働きながらでも十分取得できることです。その代わり週末は返上になりますが……。2年くらいで取得する方が多いようです。更に、継続学習ポイントを稼がないと剥奪されてしまいます。
問題は演習中心なので、慣れない関数電卓をたたいて4時間ぶっ通しのテストをパスするのは体力勝負だということです(笑)。

私がMAIを取得しようと思ったのは、他の鑑定士との差別化ということを考えてのことでした。自分の得意分野を作りたかったからです。それで、元々、外銀に勤めていたので、英語はひとより出来る方だったので、それを活かせるかなと思いまして、勉強を始めました。

新井 香里
平成16年 入社
平成20年 不動産鑑定士 登録
平成24年 MAI(米国不動産鑑定士)登録