SYSYTEM VALUATION STANDARDS

固定資産評価基準

第3節 宅地

一 宅地の評価

宅地(本節四及び五に定めるものを除く。)の評価は、各筆の宅地について評点数を付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法によるものとする。

二 地積の認定

各筆の宅地の評点数は、市町村の宅地の状況に応じ、主として市街地的形態を形成する地域における宅地については「市街地宅地評価法」によつて、主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地については「その他の宅地評価法」によつて付設するものとする。ただし、市町村の宅地の状況に応じ必要があるときは、主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地についても、「市街地宅地評価法」によつて各筆の宅地の評点数を付設することができるものとする。

(一)「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設
1 「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序

「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設は、次によるものとする。

  1. (1) 市町村の宅地を商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区等に区分し、当該各地区について、その状況が相当に相違する地域ごとに、その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定するものとする。
  2. (2) 標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価を求め、これに基づいて当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設し、これに比準して主要な街路以外の街路(以下「その他の街路」という。)の路線価を付設するものとする。
  3. (3) 路線価を基礎とし、「画地計算法」(別表第3)を適用して、各筆の宅地の評点数を付設するものとする。
2 標準宅地の選定

標準宅地は、次により選定するものとする。

  1. (1) 宅地の利用状況を基準とし、市町村の宅地を商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区(温泉街地区、門前仲見世地区、名勝地区等をいう。)等に区分する。この場合において必要に応じ、商業地区にあつては繁華街、高度商業地区(Ⅰ、Ⅱ)、普通商業地区等に、住宅地区にあつては高級住宅地区、普通住宅地区、併用住宅地区等に、工業地区にあつては大工場地区、中小工場地区、家内工業地区等に、それぞれ区分するものとする。
  2. (2) (1)によつて区分した各地区を、街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに区分し、当該地域の主要な街路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等の状況が当該地域において標準的なものと認められるものを選定するものとする。
3 路線価の付設

路線価は、主要な街路及びその他の街路の別に、それぞれ、次により付設するものとする。

  1. (1) 主要な街路について付設する路線価は、当該主要な街路に沿接する標準宅地の単位地積当たりの適正な時価に基づいて付設するものとする。この場合において、標準宅地が「画地計算法」を適用すべきものであるときは、当該標準宅地の沿接する主要な街路に付設する路線価は、当該標準宅地の適正な時価に基づき、仮りに当該標準宅地の位置に「画地計算法」を適用する必要がない宅地があるものとした場合における当該宅地の単位地積当たりの適正な時価を算出し、これに基づいて付設するものとする。
    標準宅地の適正な時価は、次によつて、宅地の売買実例価額から評定するものとする。
    • 売買が行われた宅地(以下「売買宅地」という。)の売買実例価額について、その内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においては、これを修正して、売買宅地の正常売買価格を求める。
    • 当該売買宅地と標準宅地の位置、利用上の便等の相違を考慮し、アによつて求められた当該売買宅地の正常売買価格から標準宅地の適正な時価を評定する。
    • イによつて標準宅地の適正な時価を評定する場合においては、基準宅地(三の2の⑴によつて標準宅地のうちから選定した基準宅地をいう。)との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮する。
  2. (2) その他の街路について付設する路線価は、近傍の主要な街路の路線価を基礎とし、主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地との間における街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮して付設するものとする。
4 各筆の宅地の評点数の付設

各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、「画地計算法」を適用して付設するものとする。この場合において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の附表等について、所要の補正をして、これを適用するものとする。

(二)「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設
  1. 1 「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設の順序
    「その他の宅地評価法」による宅地の評点数の付設は、次によるものとする。

    1. (1) 状況類似地区を区分するものとする。
    2. (2) 状況類似地区ごとに標準宅地を選定するものとする。
    3. (3) 標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設するものとする。
    4. (4) 標準宅地の評点数に比準して、状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設するものとする。
  2. 2 状況類似地区の区分
    状況類似地区は、宅地の沿接する道路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等を総合的に考慮し、おおむねその状況が類似していると認められる宅地の所在する地区ごとに区分するものとする。
  3. 3 標準宅地の選定
    標準宅地は、状況類似地区ごとに、道路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等からみて、標準的なものと認められるものを選定するものとする。
  4. 4 標準宅地の評点数の付設
    標準宅地の評点数は、次によつて、宅地の売買実例価額から評定する当該標準宅地の適正な時価に基づいて付設するものとする。

    1. (1) 売買宅地の売買実例価額について、その内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においては、これを修正して、売買宅地の正常売買価格を求めるものとする。
    2. (2) 当該売買宅地と標準宅地の位置、利用上の便等の相違を考慮し、(1)によつて求められた当該売買宅地の正常売買価格から標準宅地の適正な時価を評定するものとする。
    3. (3) (2)によつて標準宅地の適正な時価を評定する場合においては、基準宅地(三の2の⑴によつて標準宅地のうちから選定した基準宅地をいう。)との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮するものとする。
  5. 5 各筆の宅地の評点数の付
    各筆の宅地の評点数は、標準宅地の単位地積当たり評点数に「宅地の比準表」(別表第4)により求めた各筆の宅地の比準割合を乗じ、これに各筆の地積を乗じて付設するものとする。この場合において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「宅地の比準表」について、所要の補正をして、これを適用するものとする。

三 評点一点当たりの価額の決定及び提示平均価額の算定

1 評点一点当たりの価額の決定
評点一点当たりの価額は、宅地の提示平均価額に宅地の総地積を乗じ、これをその付設総評点数(二によつて付設した各筆の宅地の評点数を合計した総評点数をいう。)で除して得た額に基づいて市町村長が決定するものとする。この場合において、提示平均価額は、道府県庁所在の市及び東京都特別区(以下本節において「指定市」という。)にあつては、総務大臣が算定し、都道府県知事及び指定市の長に通知するものによるものとし、指定市以外の市町村にあつては、指定市の提示平均価額を参考として都道府県知事が算定し、市町村長に通知するものによるものとする。
2 指定市の提示平均価額の算定

総務大臣は、次により、指定市の宅地の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して指定市の宅地の提示平均価額を算定するものとする。

  1. (1) 指定市の長は、「市街地宅地評価法」を適用して各筆の宅地の評点数を付設している場合にあつては最高の路線価を付設した街路に沿接する標準宅地を、「その他の宅地評価法」のみを適用して各筆の宅地の評点数を付設している場合にあつては単位地積あたりの適正な時価が最高である標準宅地を、基準宅地として選定するものとする。
  2. (2) 指定市の長は、二の㈠の3によつて付設した路線価及び評定した標準宅地(基準宅地を含む。)の適正な時価並びに二の㈡の4によつて評定した標準宅地(基準宅地を含む。)の適正な時価その他の総評価見込額の算定において必要な事項を総務大臣に報告するものとする。
  3. (3) 総務大臣は、指定市の長が評定した基準宅地の適正な時価(基準宅地の適正な時価に基づいて付設した路線価を含む。以下同様とする。)について検討し、次いで、当該指定市の長が評定した標準宅地の適正な時価(標準宅地の適正な時価に基づいて付設した路線価を含む。以下同様とする。)及び当該指定市の宅地の評点付設の状況等を検討するものとする。この場合において、その検討の結果に基づき、市町村間の評価の均衡上必要があると認めるときは、指定市の長が評定した基準宅地の適正な時価について所要の調整を行い、これを基準として、標準宅地の適正な時価及び宅地の付設評点数について所要の調整を行うものとする。
  4. (4) 総務大臣は、次により、指定市の宅地の総評価見込額を算出するものとする。
    • (2)によつて、指定市の長が報告した路線価((3)によつて、これに所要の調整を加えた場合にあつては、調整後の路線価)又は標準宅地(基準宅地含む。)の適正な時価((3)によつて、これに所要の調整を加えた場合にあつては、調整後の価額)と当該街路の前年度の路線価又は当該標準宅地の前年度の評価額との割合を求める。
    • 指定市の宅地をアの割合が同様であると認められる地区ごとに区分する。この場合において、当該割合が同様であると認められる地区は、路線価の異なる地域又は状況類似地区ごとに認定するものとするが、相互に当該割合が同様であると認められる地域又は状況類似地区は、これらを合わせ、一の地域又は一の状況類似地区内で当該割合が異なると認められる地区があるときは、当該割合が異なる地区ごとに区分する。
    • アの割合が同様であると認められる地区ごとに、当該地区における宅地の前年度の評価額に当該割合を基準として求めた割合を乗じて当該地区の宅地の評価見込み額を算出する。
    • ウによつて算出した各地区の宅地の評価見込額を合計して当該指定市の宅地の総評価見込額を算出する。
3 指定市以外の市町村の提示平均価額の算定
  1. (1) 都道府県知事は、指定市以外の市町村について、2と同様の方法によつて、市町村の宅地の総評価見込額を算出し、これをその総地積で除して当該市町村の宅地の提示平均価額を算定するものとする。この場合において、市町村長が評定した基準宅地の適正な時価を検討するに当たつては、指定市の基準宅地の適正な時価(2の(3)によつて、総務大臣が所要の調整をした場合においては、調整後の価額)との均衡を考慮するものとする。
  2. (2) 総務大臣は、(1)によつて算定した指定市以外の市町村の提示平均価額及びその算定の基礎について報告するよう都道府県知事に求めることができる。
  3. (3) 総務大臣は、(2)によつて都道府県知事から報告を受けた提示平均価額及びその算定の基礎について検討し、市町村間の評価の均衡上必要があるときは、提示平均価額について所要の修正を行うよう関係都道府県知事に通知するものとする。
  4. (4) 都道府県知事は、(3)による総務大臣の通知があつた場合においては、関係市町村の提示平均価額について所要の修正を行うものとする。

四 農業用施設の用に供する宅地の評価

農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域(以下「農用地区域」という。)内又は都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の規定により定められた市街化調整区域(以下「市街化調整区域」という。)内に存する農業用施設(農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号又は第4号に規定する施設をいう。以下本節において同じ。)の用に供する宅地の評価は、付近の農地の価額を基準として求めた価額に当該宅地を農地から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を加えた価額によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市街化調整区域内に存する農業用施設の用に供する宅地(農用地区域内に存するものを除く。)で、当該宅地の近傍の土地との評価の均衡上、上記の方法によつて評価することが適当でないと認められるものについては、本節一から三までにより評価するものとする。

五 生産緑地地区内の宅地の評価

農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域(以下「農用地区域」という。)内又は都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の規定により定められた市街化調整区域(以下「市街化調整区域」という。)内に存する農業用施設(農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号又は第4号に規定する施設をいう。以下本節において同じ。)の用に供する宅地の評価は、付近の農地の価額を基準として求めた価額に当該宅地を農地から転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を加えた価額によつてその価額を求める方法によるものとする。ただし、市街化調整区域内に存する農業用施設の用に供する宅地(農用地区域内に存するものを除く。)で、当該宅地の近傍の土地との評価の均衡上、上記の方法によつて評価することが適当でないと認められるものについては、本節一から三までにより評価するものとする。

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