TEAM

大和不動産鑑定の現場から

ヘルスケアHEALTHCARE

三ツ矢昴真

東京鑑定本部
不動産鑑定士
不動産証券化マスター

三ツ矢 昴真KOUMA MITSUYA

平成27年入社
平成26年不動産鑑定士登録

― 不動産鑑定士として、お客様と接するときに心がけていることはどんなことですか?

丁寧で誠実な対応を心がけています。
不動産鑑定士が公平な評価を行うことは勿論ですが、評価の内容を分かり易く説明し、ご納得して頂くことも必要になります。説明力のある評価を行うためには、お客様とコミュニケーションをとり、対象となる不動産がどのような個性をもっている不動産なのか、どのような利用を期待されている不動産なのか、お客様の考えを教えていただき理解することも重要です。
依頼内容の把握、資料の収集、現地調査、評価作業等、全ての過程でお客様と接する機会は多様です。一貫して丁寧で誠実な態度で向き合い、信頼関係を構築することが大切だと考えています。

― ヘルスケアチームを選んだ理由を教えて下さい。

不動産鑑定士としてヘルスケア施設評価業務に携わる機会を多く持ちたいと思ったからです。
入社した当時は、ヘルスケア施設特化型の投資法人等が相次いで創設され、ヘルスケア施設が投資対象として特に注目されていた時期でした。まだ、流動化案件として取引件数が少なく、キャップレートや賃料水準の把握が困難であったため、評価には慎重さと十分な検証が求められるものでした。そのような状況でヘルスケア施設の評価に取り組む先輩方の姿は、真剣で熱気に満ちていると感じました。
ヘルスケア施設は、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等の住宅施設、病院、医療モール等の医療施設が中心になりますが、その事業形態は様々です。評価対象を正確に捉えることが難しく入念な確認が必要です。また、業態に応じた評価を行うためには、きめ細かな調査と分析に大きな労力が必要となります。他方で、多岐にわたるヘルスケア施設の運営者様・利用者様と接する機会が多く、それぞれのご意見から学ばせていただくことが非常に多いと感じます。

三ツ矢昴真

― ヘルスケアアセットを評価する上での留意点

特にヘルスケア施設としての競争力に留意して評価を行います。
たとえば住宅施設であれば、施設の存する地域における高齢者人口の動向を調査して、どの程度の需要が見込めるかを把握します。また、競合する施設がどの程度供給されているのかを把握する必要もあります。そのうえで、施設を利用する方々の目線に立って、代替する施設と比べた優位性を見極めます。
現地調査では、通常の不動産で重視される立地条件、建物条件のほかに、提供される食事や清掃などのサービスが利用者様の希望に配慮されているものか、施設の魅力を十分に見つめるように努めています。

大坪 誠一郎

九州支社鑑定部
不動産鑑定士

大坪 誠一郎SEIICHIRO OTSUBO

平成23年入社
平成26年不動産鑑定士登録

― 不動産鑑定士として、お客様と接するときに心がけていることはどんなことですか?

分かりやすい説明をすることを心掛けています。
不動産に関する専門知識をお持ちのお客様もいらっしゃれば、そうでない方もいらっしゃる中で、お客様の状況に応じて丁寧な説明を行い、最終的に内容をご理解いただき、納得していただければと考えています。
特にヘルスケアアセットは、投資対象としての歴史が比較的に浅く各種のデータ蓄積が途上段階にあり、オペレーショナルアセットで個別性も強いため、より丁寧な説明が求められます。こうした状況を認識して、鑑定評価の考え方や、根拠となるデータを十分に示して説明するようにしています。

― ヘルスケアアセット評価の体験談を教えてください。

老人ホームのようなシニアアセットの評価に当たっては、施設を運営するオペレーターの中長期的な賃料負担力を見通すことがポイントとなります。
そのため、現地調査の際には老人ホームの施設長等へのヒアリングを行うのですが、評価経験が乏しかった頃は、質問事項を事前に用意していても、聞きたいことがうまく聞けず、同席していた先輩鑑定士の助けを借りてなんとか凌いでいたものです。
また、評価に当たっては、同一需給圏における高齢者の介護ニーズや競合施設の状況といった市場分析が必要であるほか、介護保険制度といった施策面の動向把握が必要となるなど、他のアセットとは違った角度の分析が必要となるのですが、ある評価の時、分析が甘く先輩鑑定士のお冠をいただいたのは今となってはいい思い出となっています。

大坪 誠一郎

― これからどのような不動産鑑定士になりたいと思いますか?

不動産鑑定評価を行うには、不動産鑑定評価基準を理解していることは当然のこととして、不動産に係る法律・税制、建築・設備、マーケット動向など様々な知識、分析力、判断力が求められます。まずは、これらを深め、養うことで、適正な評価を行える不動産鑑定士になりたいです。
そして、価格の判定を行うという不動産鑑定士の行う中核業務で得られた知識、経験を生かして、個人、企業、投資家が所有する不動産に係る様々な課題解決をお手伝いできる鑑定士になりたいと思っています。
超高齢社会にあり、高齢者単独世帯の増加といった社会構造の変化もあるなかで、老人ホームといったシニアアセットの担う役割は、今後さらに大きなものになっていくと思われます。多少おこがましいですが、鑑定評価を通じて、介護・高齢者福祉面での社会貢献につながればと思います。