INTERVIEW 01

創業55周年記念 役員インタビュー

専務取締役

野上 哲

資産ソリューション部門担当
環境コンサルティング部門担当

「古き良き大和を訪ねて」

1966年(昭和41年)3月23日、創業者の故・井上僖次氏が大阪市天王寺区の雑居ビルから始めた小さな事務所。それが現在、社員約300人を抱える全国規模の会社に成長しました。
その過程には、鑑定評価の創世記から今日まで、何事にも誠実に取り組み、未来を見据えるチャレンジ精神がありました。ここでは、そんな大和を支え続けている二人に、古き良き大和と、未来の大和について語ってもらいました。

入社された当時のことを教えてください。

私は、大学卒業後新卒でマンション販売会社に就職したのち、1983年の3月、23歳で当社に入社し奈良支社に配属されました。面接で、「失礼します」の声が大きくて元気そうなので採用になった、と伺っています。入社すぐに、鑑定書の製本の仕方、印鑑のつき方、先例の管理方法などを一通り教えて頂き、1年経つと、受付同行・現地調査・試算・原稿作成・製本まで補助者として一通りできるようになっていました。その頃の奈良支社の案件は、用地買収に伴う更地の鑑定評価がほとんどで、現地では歩測で道路幅員を測り、パノラマカメラのパノン WIDELUX F7で遠景と近景の写真を撮影して、測量図や公図と現地を見比べる作業を行っていました。農地や山林などの宅地見込地の評価が多く、たまに住宅地や商業地の評価補助業務をしていました。

奈良支社時代の印象的な業務は?

奈良支社時代の5年間で印象に残っているのは、固定資産税課税の参考とするために取得される「標準宅地の鑑定評価」ですね。統計解析の重回帰分析を活用し、鑑定評価で得た標準宅地の価格と、道路幅員、駅や商業施設からの距離、住宅の粗密度、容積率などの数値を分析し、統計上の推計価格を試算して業務を行いました。固定資産の標準宅地の鑑定評価が制度化されていない時代にあって、画期的な試みだったと思います。それにITという言葉すらない時代で、ワープロのオプションとして導入したMS-DOS上で起動するプログラムソースを手入力し、データを何度も手入力で入れ替えながら繰り返し分析しました。今では考えられない手法ですね。
その後、統計解析を用いた業務受注の手ごたえを感じ、会社の許可を得て事務所を借りて路線価評価業務の営業活動を行い、5つの自治体と契約ができました。平成元年春のことでした。

入社されてから今年で38年になられますが、これが大和だ、という記憶に残るプロジェクトは?

思い起こすことは、数々ありますね。
記憶に残るのは、QMSやISMSの認証取得など、現在の統合マネジメントシステムの礎としたISO取得のプロジェクトです。2000年頃から取り組みましたが、品質面、情報セキュリティ面の重要性を実感して導入を検討したものです。個人情報保護法が施行される10年以上前の話で、世間的にも社員にもマネジメントシステムという意識がほとんどなかったので、浸透するのに苦労しました。
平成の市町村大合併の対応も、大和らしいプロジェクトだったと思います。2001年から2006年頃まで、主に近畿圏で多くの合併コンサルを行いました。その後様々な自治体のコンサル業務に携わる上で、大きな財産になったと思います。

自治体の業務の中でも、2007年に東京都主税局から路線価評価支援業務を受注したことは大きいと思います。私は、予算や技術的な面から反対しましたが、当時の経営陣は業務の中心を関西圏から首都圏へ移行するという方針でした。その数年前にフランスを訪れたことを機に、「パリに路線価を引く」ことが夢だと公言していた私は、パリに行くにはまず東京都の実績が必要だと思い、大きなプロジェクトに臨むことになりました。
問題や解決すべき事柄も多々ありましたが、不動産鑑定士が23人以上参加するプロジェクトは当社の中でも他に類を見なかったと思います。鑑定士以外にもIT分野の専門家などを含めた、オール大和のチームワークの成せるわざだと思っています。

他に大和が一丸となった業務といえば、東日本大震災復興関連業務ではないでしょうか。

震災直後は、社員の生活を重視して東北支社を閉鎖する、との意見もありましたが、東北支社を拠点に、積極的に災害復興に係る業務の受注に動くことを提案しました。そして気仙沼市から、津波で被災を受けて災害危険区域に指定された区域内の買取土地の特定と、その現地調査業務を受注できました。一刻を争う状況で難しい点も多かったですが、GISを使った画地の特定、タブレットを活用した被災地調査のためのシステム構築を行い、これがベースとなって今も標準宅地や路線価の調査でタブレットが活躍しています。この業務の後、高台移転、都市計画街路、中心部の区画整理業務など、気仙沼市を中心に約9年間、災害復興業務に貢献できたことは、大和にとって大きな実績と自信になっていると思います。これも、システム開発、現況調査や補償業務、街づくりのノウハウ、鑑定評価と、大和の力が結集された業務だと思います。

To The Future


これからの大和にできることは、どのようなことと考えますか?

今までの経験からできることは沢山あると思うのですが、出来たら今までに実績のない業務にチャレンジできればと思います。その一つのキーワードは、SDGsではないかと思っています。特に地球の温暖化は、容易には解決しない大きな問題だと思います。今後、化石燃料の活用は大幅に減り、まずは、再生可能エネルギーの存在感が増すとともに、ゼロカーボンへ進むと思います。現状、当社では、太陽光、風力、バイオマス、地熱などの発電施設について、既存施設の調査や評価はもとより、設置に向けた土地の確定や用地選定の際の法令調査などに積極的に取組んでいます。今後、当社が主体となって事業に関係することが出来ないか、と思います。
また、農業や林業などに関与することで、より積極的にSDGsを実践する企業として事業拡大を図れないものか、とも考えています。

PROFILE

野上 哲Satoshi Nogami

専務取締役
資産ソリューション部門担当
環境コンサルティング部門担当

1983年入社。
奈良支社に入社後、システム評価部にて固定資産税路線価評価を中心に、市町村合併や、東日本大震災の復興事業など、多数の自治体支援業務を担当。建築エンジニアリング部門で業務分野を拡大し、2020年より専務取締役。