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補償コンサルタント 事例

郊外店舗において駐車場施設が支障となる場合の補償について

当該事例は、郊外型店舗の客用駐車場敷地の一部が用地取得により自動車保管場所が減少することから、残地内での機能回復を含めて、最も合理的な移転工法案があるかについて検討を行ったものである。

案件の概要

1.幹線道路沿いにある飲食店の客用駐車場の約1/3が支障となる
  当該地は現況道路、幅員6mの片側一車線(歩道なし)の幹線道路沿いにあり、中央分離帯がないことから、上下線の双方から集客が可能となっている。道路の通行量は当該地周辺の道路環境の整備が進んだことから、交通量が増加しており郊外型店舗の立地条件が整っており、沿線においても飲食店等の郊外型店舗が見られる。
店舗等の配置については、店舗を囲むように店舗前に約20台、店舗横に長方形の形状をした約30台の駐車スペースが設置されている。このうち約35台分の駐車スペースが直接支障となり、減少することとなった。
2.補償方法の検討
郊外型店舗の駐車スペースが支障となり補償方法を検討
  当該案件においては、店舗が直接支障とならないが、郊外型店舗の駐車スペースが支障となることから、「自動車の保管場所の確保に要する費用の補償取扱要領」に準拠し、「4.業務用建物敷地内にある保管場所の場合」に基づき「郊外型店舗の補償方法の検討フローチャート」を用いて検討した。
条件1:
敷地の1/3が支障することとなり、残地内への駐車場の確保は物理的に不可能。
条件2:
駐車場利用調査の結果、来店客の90%は自動車での来店客であったことから、建物と駐車場を分割することは困難である。
条件3:
郊外型店舗として利用されており、店舗と駐車場は一団の土地内において、一体利用により効用が発揮されることから、分離は不可能である。また、隣接地や近隣地での土地確保も不動産業者への聴聞等、周辺調査したが困難であると判断。
条件4:
隣接地や近隣地での専用駐車場の確保が可能か不動産業者への聴聞等、周辺調査したが困難であると判断。
条件5:
立体化することは、景観や防犯上、並びに機械式駐車場とした場合、出入庫における安全の確保が難しいことから困難であると判断。
条件6:
残地内工法では、駐車スペースの確保が物理的に困難であったり、立体化やピロティ形式とした場合、移転期間が長期化することにより営業補償費用も増大し、経済的に不合理な工法となることから残地内工法は困難であると判断。

よって、郊外型店舗の補償方法として構外再築工法が妥当と判断した。

3.補償の算出
補償方法として構外再築工法となるが・・・
  補償方法の検討により、建物を構外再築工法が妥当となった。しかし、構外再築工法とした場合の補償額は高額となることが予想されることから、営業の継続が確保され、且つ経済的に優位性があるか営業規模縮小による補償の検討を行った結果、継続が可能な最低限の売上高の確保が可能であることが確認できたことから、建物は存地とし営業規模縮小での補償を認定した。
4.駐車場利用実態調査の方法
交通手段の把握と駐車場の利用状況の調査
調査内容:車または車以外での来店実態調査
(車利用の場合)
駐車場配置図をもとに駐車した区画番号の調査
車の車両区分の調査
入庫・出庫時間、入庫時の駐車台数(入庫の車輌を含む)の調査
乗車人数の調査
(車以外の場合)
来店の手段
来店・帰宅時間の調査
来店人数の調査
その他
写真撮影(デジタルカメラでの撮影)
条件(フラッシュ無し、ISOは最高値、撮影時は日付日時を確認)
撮影は店舗周辺状況の写真撮影
調査時点から30分間隔での駐車場利用状態の撮影
写真撮影方向図作成
(調査員の配置)
写真撮影  -  撮影者1名
駐車場    -  調査表記入1名
車以外    -  調査表記入1名
(調査における注意事項)
写真撮影ではフラッシュ撮影しないこと
写真撮影時に来店者が映らないように撮影すること
来店者に迷惑の掛からないように調査を行なうこと
車輌区分等の調査を行なう際は、来店客が入店されてから調査すること

駐車場利用実態調査表

駐車場利用実態調査表

来店手段別来客集計表

来店手段別来客集計表

郊外型店舗の補償方法の検討フローチャート

郊外型店舗の補償方法の検討フローチャート

5.最後に
1)残地における駐車スペースの確保について
残地内に駐車スペースを最大限確保するために、現況幅2.5m×奥行5.0m、車路5.0m~6.0mにて設計されているが、当該地が郊外地という立地も考慮し、普通乗用車と軽自動車の割合を算出し駐車場再配置図を作成し、現況の区画数の約50%の駐車台数を確保しました。

駐車場再配置における駐車ますの大きさ
(「道路の移動円滑化整備ガイドライン」第2部 道路構造基準の運用指針  第6章 自動車駐車場  6-2-3構造 (2)大きさ  より)
普通乗用車:幅2.5m×奥行6.0m
軽自動車:幅2.3m×奥行3.6m
車路
(駐車場法施行令第8条第2項ハより)
幅員5.5m以上
2)営業規模縮小における縮小率の算定について
ア)
必要駐車台数:1日平均の客数×自動車利用客数×自動車利用客の平均乗員数×駐車場回転率
イ)
駐車不能台数:必要駐車台数-駐車場残区画
ウ)
年間減少客数:駐車不能台数×自動車利用客の平均乗員数×駐車場回転率×営業日数
エ)
縮小率:年間減少客数÷年間利用客数